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私の恩師について

【私の人生を変えた恩師】


自分の人生に大きな影響を与えた人って必ずしも
一人か二人は誰にでもいるものだと思いますが、

私の人生に大きな影響を与えてくれた人!
その人は私の通ったカレッジの英語の先生だった。

私がアメリカのカレッジに入学した時に受講した
ESLという云わば、大学英語準備クラスの先生。

学校の先生なんて、ありきたりの話だけど、
この人は私の根本の性質まで変えた大切な人。

私が「頑張れば出来ない事ってないはずよ!」
のポジティブ思考型の性格になったのも
この先生と出会ってから。

ダイアナ妃に良く似た背の高い綺麗な人でした。

入学のテストでカレッジのカウンセラーに薦められた
英語のクラスは6段階あったESLの一番、
上のクラスでした。

これを一学期、やって受かればアメリカ人と同じ
ネイティブの英語クラスに入れると言われた。

ハワイでは働いてばかりで、ろくに勉強していなかった
私は、すごく英語に自信がなくて不安だった。

購入したクラスで使う本を開いてみると、
単語がほとんど不明で辞書なしでは読めない状態…

アカデミック・イングリッシュ(大学英語)
の準備クラスだけあって、
本の項目には宇宙、歴史、政治、科学、Etc...

見たことない!みたいな単語が並んでいた。

初日にクラスへ恐々と入った私は更に驚く。
あれっ日本人が一人もいない!!

半分がメキシコ人で、
それも既に英語ペラペラやん~!みたいな。

後は中国人とベトナム人、アラブ系とか。
中国とベトナム人の英語はさっぱり聞き取れない。
(向こうも同じ事を思ってただろうけど)

本を順番に読まされて、自分の番になっても
まったくわかんないのよ。

一体、自分がどの行から読んでいいのか!!

だって前の人が読んでいる英語の発音がまったく
聞き取れないんだもの!

どうやら私がクラスで一番レベル低かったらしい。

自分のレベルを身を持って知った私は
クラス替えが可能な一番最後の日に先生に話した。

その時先生の前で緊張して英語がしどろ、もどろに
なった恥ずかしさを今も忘れない…

「わっ、私ひとつ下のクラスに落とします。
とても難しすぎてついていけません」

カレッジのクラスはある、一定の期間を
過ぎると外のクラスには変われないばかりか、
放っておくと成績が評価されてしまう。

中間、期末のテスト、宿題の成績を考慮して
合計70点以下だとDがつき、そのクラスは
はじめからやり直しで次には進めない。

おまけにESLは単位はつかないくせに
大学のGPA(平均点)には加算された。

先生はこんな自信のない私に、
「頑張ってみなさい」と言った。そして、

「後、一週間やってみて駄目だったら
私の知ってる先生に頼んで外のクラスに入れて
あげるわ」

普通ならありえない特待を受けたような気に
なった私は、猛勉強を始めた。

あれだけ難しいと思えた教科書も
いつの間にか読めるようなって、
中間テストも驚くべきAを獲得した。

始めに書いたエッセイ(作文)は先生の
赤で直した文字で一杯だったのに、
それも見る見る内になくなっていった。

とにかく、私はその先生が大好きでした。
笑顔がすごく綺麗で優しくて、そして厳しくて。

夏休みの後、しばらくして先生に呼ばれた。

「一体あなたはどれだけの勉強をしたの?
夏休みにも猛勉強したの?
始めのあなたからは考えれないわ…。

こんなに伸びた生徒を私は今迄見たことないわ。
そして、こんなに教えがいのあった生徒もね。

あなたに会えて教職について本当に良かったと
私は思えたのよ」

私は先生の言葉が本当に嬉しくて涙を
必死に我慢してた。

夏休みに猛勉強をした訳でもなかったけど、
先生が好きだったから、
いつも褒めてくれたから、
気がついたら…出来ていたという感じでした。

期末テストが終わって、成績をもらう最後の日、
先生が一枚の封筒を渡してくれた。

先生の自宅の住所と電話番号が入っていました。

そう、先生はESLの教授だからもう
一般の英語のクラスでは会えなくなるのです。

生徒達が教室から成績をもらっていなくなり、
二人で話をした。

「これは、外のみんなには内緒よ。

あなたとはお友達になれると思っていたわ。
先生と生徒じゃ、プライベートなお付き合いは
出来ないものね。

いつでも気軽に電話をちょうだいね。
上のクラスで困ったことがあれば、いつでも
私のデスクに立ち寄っていいのよ」

結局、30人中でAを取れたのは私ともう一人の
ベトナム人の女の子だけでした。

一度はあきらめたクラスのどん底から、
一番上に立った経験と喜びを知ったのは私の人生で
初めての事だったのかも知れません。

アメリカの教育ってこれなのかな?
って思いました。

褒めて育てる?
その人の長所を見つけて伸ばしてあげる?

彼女は私の得意な分野をいつも見つけてくれて
必ず褒めてくれた。

私の間違いは私が自信を失わないように配慮しながら
正してくれてるのをいつも感じてた。

そして先生に
おだてられて、思い切り木に登ってしまった。

先生は言葉どうり、クラスが変っても
私が行き詰った時に自分の愛用した文法の本を
さりげなく渡してくれる優しさを変わらずくれました。

英語以外にも難しいクラスはあったけど、
やっぱり一番、苦労したのは英語のクラスでした。

日本人どころか外国人が一人もいない英語のクラス。
みんなアメリカ人だから英語ぺらぺら、す~らすら。
私一人だけが浮いているみたいで辛かった。

私にとって長かった道のりが終わった時、
一番感謝したのは、他の誰でもない私の恩師。

あの人に会ってなかったらもう、
勉強もとっくに諦めていたかもしれない。

それどころか、今の私すら、いないと思う。

もっと、色々な事を直ぐにあきらめて
「出来ない、出来ない」って、
精神の弱い人間で終わっていたかも。

「やれば出来るという自信を持たせる」

これって、教育に必要だと身を持って感じた私。

自分の子どもの教育やしつけについて考える時も、
いつも私の心の中にはあの、先生がいる。

息子の苦手なところは励まして、
得意な分野を思い切り褒めてあげる。

勉強が出来なくてもスポーツが得意なら
それでもいいと思う。

セルフ・エスティームを高める
「自分に自信を持ち、自分自身を好きになる事」

幸せな人生を送るために大切な事だと
思います。

それを教えてくれた私の恩師…。
来年は又会えると思ったけど、無理みたいですね。

★長い文章になってしまいましたが、
私にとっては貴重な話だったので
いつか書いて残しておきたいと思っていました。





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